「約束のネバーランド」5巻では、ついに脱獄を成功させたエマたちですが、危険だらけの外の世界に疲労の色が見え始めます。倒れてしまったエマ。そしてひとり手強い追手に追われるレイ。
残されたギルダたちの前に現れた少女の正体は…!?
今回も「約束のネバーランド6巻」の、あらすじとネタバレについて、感想を交えながらひも解いていきたいと思います。
週刊少年ジャンプ(集英社)2016年35号より連載がスタートした「約束のネバーランド」。原作白井カイウ、作画出水ぽすか先生による作品です。6巻では第44~52話まで収録されています。
目次
約束のネバーランド6巻のネタバレ1 救援者の正体
レイは居ない、エマも倒れてしまい、ドンとギルダには焦りの表情が浮かびます。
そこへ現れた頭巾の少女が「こっちよ、ついてきて」と子供たちを促します。
こんな森の中にひとり少女が居るなんて不自然だと、ギルダは警戒しながら聞きます。
「あなたは誰?顔を見せて」
一方、レイは手強い追手に苦戦し体力を消耗していきます。
追手の鬼たちは、特上のレイに襲いかかることはせず、疲れてバテるのを待っているのです。
最初の鬼とは違い、訓練して鍛え上げられた動きと思考を持ち合わせているようです。
案の定、限界を超えたレイは足元から崩れ落ち倒れてしまいますが、そこへ馬のような生き物にまたがった人物に拾い上げられるように助けられます。
気が付くと洞窟の中。
目を覚ましたレイとエマはそこで再会をし、状況を理解できずにいます。
エマの前に現れた少女と、レイを助けた人物は仲間であることと、丁寧に手当てされていることから、少なくとも敵ではないと判断をします。
そして頭巾の少女が現れ、子供たちも無事であることと、レイを助けたのは「ソンジュ」という人物であることを聞かされます。
外にも人間が居た、しかも食用児以外に。安心したのも束の間…レイは気が付きます。
「鬼なんだよな、あんたもあの男も。何が目的だ。」
エマは絶望に顔を歪めると共に、兄弟たちを案じます。
そこへソンジュも現れ、ムジカと呼ばれる頭巾の少女は答えます。
「怖がらせてしまってごめんなさい。」
「わたしたちは人間を食べない。だからあなた達のことも食べるつもりはないのよ、安心して。」
ソンジュとムジカは宗教上の理由から人間を食べない、少数派の鬼で、さらに異端児である。
農園のことも一切興味がなく、人間を助けたのも気まぐれなものだと言います。
ソンジュとムジカに懐いている子供たちの様子を見て、助けてもらっておいて疑うなんてと申し訳ないという気持ちになります。
まさか鬼から逃げているところを鬼に救援されるとは…意外でした。
約束のネバーランド6巻のネタバレ2 鬼の世界と人間の世界
「30年前、人間に何があったの?世界は今どうなっているの?」
エマは素朴な疑問をソンジュにぶつけますが、何も起きてはいないとアッサリ返答がきます。
そしてソンジュの昔話から、次のことがわかってきます。
- 昔農園は存在せず、鬼は人間を自由に食べていた
- 人間も鬼を憎み潰すようになった
- 終わらない戦い合いの果てに、人間側の提案で互いの世界を棲み分けることにした
- 鬼と人間は約束を結び、二つの世界は断絶した
- ここは鬼側の世界で、人間側の世界ではない
- エマたちの先祖は鬼側の世界に置いて行かれた土産である
- GFハウスは農園の中でも最上位である
衝撃的です。「外」は人間の世界なんかではなかったのです。
しかも30年やそこらの話ではなく、1000年も前から世界は何も変わっていないのだと言います。
最悪ですが、エマとレイは飛び上がって喜びます。
その先がある事。思っていたよりもずっとよかった、人間の世界が存在している真実に希望を抱くのです。
ソンジュは言いづらそうに、人間側の世界には二度と行き来できない取り決めがあるのだと告げますが、行き方は探して見つけると、2人は表情を変えません。
エマとレイにとっては行けるか行けないかではなく、人間の世界があるかないかが重要だったのですね。
ソンジュは森の抜け道を教え、出口まで無事に送ってくれると約束してくれるのでした。
ミネルヴァさんの本にあった「約束」とは、鬼と人間との間で決められた「取り決め」のことであったと推測できますね。
エマはペンに記された場所へ行き、ミネルヴァさんから世界を渡る方法を聞き、2年以内にフィルたちを連れて人間の世界へ行くという目標を立てます。
「約束を破るなら●●を敵に回すことになる」
子供たちが会話をする中、ソンジュとムジカはそんな話をしています。
取り決めをした権力者のことでしょうか。
まだまだエマたちの知らない事実は沢山隠されている予感です。
約束のネバーランド6巻のネタバレ3 生き抜くために
ソンジュとムジカの案内で、エマたちは森の地下通路を進んで行きます。
鬼たちは知らない道なので、森を抜けるまでは安心だと言います。
目的日到着するまでの期間に、料理や薬草などの最低限の知識と狩りをする技術を習うこととなります。
ハウスで育ったエマたちは、その素手がないため、生き抜くためには身に付けなければなりません。
エマはソンジュに狩りの仕方を教えてほしいと志願します。のみ込みの早いエマは、弓矢で鳥を捕えることに成功します。
次に「儀程(グプナ)」を行うのだとソンジュは言います。
「グプナ…?」
初めて聞く言葉に聞き返すエマですが、すぐに理解します。
ソンジュが手に持っていたのは、コニーの胸に刺さっていたあの植物だったのです。
- あの植物の名前はヴィダという
- どこにでも自生している吸血植物である
- ヴィダを射すと血抜きになり、肉が長持ちする
- ヴィダは生きているうちに刺さないと意味がない
エマは亡くなっていった兄弟たちを想います。
食べられたくない。生きたい。
でも、私達だって食べてきた。この先も食べなければ生きていけない。
祈りを捧げながら、仕留めた鳥にグプナを行うのでした。
あの植物には肉の鮮度を保つという意味がありました。
鬼にとって人間が狩りの対象であり、肉なのだと強く印象付けられるシーンです。
エマは胸をえぐられる想いだったに違いありません。
約束のネバーランド6巻のネタバレ4 別れの時
ソンジュは他の農園についても教えてくれました。
- GFハウスのような高級農園はわずか4つしかない
- ほとんどが量産農園で数百とある
- 量産農園では手足を拘束され、言葉や思考すらない
- 鬼が飼育者となり、家畜として育てられる
エマたちはショックを隠せません。
自分たちがいたようなハウスはわずか4つしかなく、大半を占める農園では、偽りの幸福すらない、本当にただ食べるためだけに子供たちが生きているという事実。
でも諦める訳にはいきません。
「みんなと生きる。そのためなら、どんな不可能だって乗り越えてやる」
想いを強く持ち、ソンジュとムジカとの別れの日を迎えます。
ソンジュの目を気にしながら、ムジカはエマの手を握り何かを手渡します。
「あなた達の目指す未来は、その先にある」
エマたちを見送るソンジュとムジカ。
人間を助けた理由をムジカが問うと、「人間でなきゃ壊せないんだよ“約束”は」とソンジュは言います。
- かつてソンジュは天然の人間を食べていた
- 神が作り出した命を頂くのなら、神への反逆には当たらない
- 養殖物であるエマたちは信仰の教えに背くため食べない
- 約束が破談となれば、また人間が食べられるかもしれない
ソンジュも人間の味を知っている鬼だったことがわかります。
エマたちとソンジュは目指す先は違いますが、今は利害関係があった訳です。出会った鬼がソンジュとムジカで本当に良かったですね。
そしてソンジュはエマたちを守るため、追手の鬼たちを倒し、ペンが示す目的地に着いたエマたちは、暗号を解読し地下通路を発見します。
「長旅ご苦労。ようこそ、B06-32シェルターへ」
約束のネバーランド6巻の続きはこちら。↓
約束のネバーランド6巻の感想
鬼の世界にも人間を食べない鬼が存在し、宗教まで存在しているとは驚きました。
追手の鬼と、ソンジュとの関係性もなかなか気になるところではありますが。
ムジカがエマに手渡したものは、必ず次の手掛かりにつながるはずです。
最後シェルターにたどり着き安心してしまいましたが、本当に安全な場所なのか。
そしてミネルヴァさんはそこに居るのでしょうか。
次から次へ新たな事実が出てくる「約束のネバーランド」7巻に期待です!
前回のおさらいはこちら↓